「そば」は、旧盆の頃、8月の中旬に、
タネを蒔きます。

秋になり、一雨ごとに伸びて花が咲き、
実を付けます。
晩秋のからりとした秋晴れがつづくと、
実がどんどん大きくなってきます。

日中と朝晩の寒暖の差が大きいほど、
「そばの実」は、味が良くなり、 充実し、
タネを蒔いてから約3ヶ月で収穫です。


福井県は、「越前そば」で有名な
そばどころで、 県内各地の山間部や稲作の転作として、
「そば」が植えられています。

「福井のそば粉」は、そばの粒の
一番外側の黒い皮と、中の身の部分との間にある「甘皮」を一緒に挽いていて、更科とは違って、少し色のあるのが特徴です。
「甘皮」の部分は、そばの香りが強く、それが「越前そば」の美味しい所以です。






そば打ちは、「1こね、2のし、3包丁」といわれています。

「1こね」
こねの過程で大切なことは、そば粉に水分を均等に吸わせる「水まわし」という作業です。
全体にしっとりと水が回ったところで、生地をまとめて、「菊練り」の方法で、こねていきます。
表面がつるりとなめらかになるまでこねて、円錐形に「へそ出し」をします。

「2のし」
生地は、打ち粉をした延し台の上で、手のひらを使って平たくし、太めの麺棒1本で、大まかに延ばします。
長めの細い麺棒に変えて、生地を手前から向こうに巻きつけて、そのまま引き寄せ、添えた手を 左右に動かしながら向こうに転がして、 90度回して広げる、という作業を繰り返し、さらにうすく延ばしていきます。

「3包丁」
2本の麺棒を使い均一の厚さに整えた生地に、
打ち粉を充分にふって折り畳みます。
畳んだ生地の上からもたっぷり打ち粉をし、こま板をあてて包丁を沿わせながら、リズムよく切っていきます。
切り終えたら、切り口にも打ち粉が回るように、手でさっとさばきます。




「茹でる」
そばの茹で方は、たっぷりのお湯の中に、
くっつかないようにぱらぱらと入れていきます。
そば専用の茹で釜でそばの香りを逃しません。
「そば湯」
茹でたお湯には、そばに含まれている栄養が、
たっぷり溶け出ています。
当店では「そば湯」もお出ししておりますので、
ぜひお飲みください