私は,日本の中部地方にある小さな山村で生まれ,22歳までを,この山村で過ごしました。下の写真は,2019年の11月に撮影したものです。周囲を山で囲まれた谷間のこの地区には,「舘」姓を名乗る家が3軒存在します。



現在は,家の近くにまでイノシシが現れます。田畑のみならず,お墓にまで,イノシシよけの電線が張られています。ハクビシンなどの動物も,徘徊するようです。これらの野生動物との共生は,この地区の重要な課題となっています。マリンバを製作する国際ブランド「コオロギ社」の工場は,この地区の大規模建築物の一つです。

「舘」姓の由来を私に教えてくれたのは,祖父です。下の写真は1953年頃に撮影されたものです。



肩車をしているのが祖父で,上に乗っているのが私自身です。小学生になった私に,祖父がしてくれた話によると,江戸時代に,領主が領土を見回りに歩く際に,休憩所として使った建物のうち,大規模のものは,「大舘」と呼ばれ,小規模のものは,「小舘」と呼ばれていたそうです。この地区の「舘」姓を名乗る家の祖先は,「小舘」の管理人であり,明治以降,「舘」姓を名乗ることになったと,教えてくれました。この話が史実と整合性のあるものかどうかは,祖父に敬意を払い,追求しないでおきます。