飼育する目的とは何ぞ?



たまーに質問されることがあったのだけれど
『ポリプテルスとはどの程度の水槽で何匹くらい飼う事ができるのか?』

この質問、答えるには簡単なようでその実、結構厄介な問いなのだ。
と、言うのも飼う人にとって置ける水槽の大きさも違うしポリプテルスに対する感覚も違う。
特に、飼育者のポリプテルスに対する感覚の違いというものが答えを難しくしている。
ある人は45㌢水槽で飼えると言うし、ある人は最低でも60㌢の水槽が必要と言う…
これはポリプテルスの飼育の仕方によって最終的な大きさが変わってくるからだと思う。
逆に言い換えれば飼育者の都合に合わせて成長してくれる魚とも言える。
もちろん、それだけが理由ではなく
飼えないことはないが狭い小さな水槽で飼う事が可哀想だと言う
誰もが持つであろう良心の呵責から
最低でも60㌢水槽が必要といった理由から来るものだと思う。
そして底一面が見えなくなるまで水槽に入れてもなんとか飼育出来てしまうという
コレクションのし易さから何匹も入れらると言った意見から
やはり、その状態ではポリプテルスが可哀想という理由で
水槽で無理なく飼える匹数は2,3匹が限度と言った意見もある。

この個人の感覚… 
考え方が人によって違うので何が一番正しいのか?が変わってしまう。
だから… だから答えを出すは難しい。
とりあえず、ここでは僕の感覚で今一番これが正しいと思うものを書くので
それは参考程度に… と考えてもらえると幸いです。

大型種
ビキール
ラプラディ
コンギクス
アンソルギー
エンドリケリー
オルナティピンニス
ウィークシー
トゥジェルシー
これらの種は幅120㌢奥行き60㌢高さ60㌢のサイズの水槽が最低必要。

小型種
デルへジィ
ポーリー
ビュティコファリー
モケレムベムベ
レトロピンニス
セネガルス
これらの種は幅60㌢奥行き45㌢高さ45㌢のサイズの水槽が最低必要。

ただし、デルへジィ、ポーリー、レトロピンニスに関しては
幅90㌢奥行き45㌢高さ45㌢の水槽が望ましい。

この水槽サイズはあくまで最低ラインであって
これよりも大きな水槽であったほうが断然に良い。
また、この水槽サイズは成魚のときのサイズであって
まだ成長段階にある幼魚や稚魚の場合はこのサイズの水槽よりも小さな水槽で問題ありません。
可能ならポリプテルスがゆったりと泳げるような大きな水槽を用意してください。
飼育匹数も一つの水槽に2,3匹程度に抑えましょう。
大きい水槽でゆったりと飼うと綺麗な大きい個体に仕上がりますヨ。

さて、まったく真逆のことを書くけど
小さな水槽でも飼えない事はない。
無理をすれば小型種なら60㌢レギュラー水槽でも飼えるし
大型種でも90㌢水槽で飼えてしまう。
ポリプテルスとはそういう魚なのだ。
僕の経験だと、60㌢レギュラー水槽でセネガルスは繁殖したし
40㌢のラプラディを60㌢レギュラー水槽で飼う事は出来た。
(病気で治療のために60㌢水槽に隔離した)
20㌢で成長の止まったポリプテルスなら45㌢水槽でも飼育は可能だと思う。
しつこいようだが、だからこそポリプテルスを飼う水槽の大きさに正しい答えが出難い。
今の時代はネットを使って多くの情報を得ることが簡単になってしまい
何が正しいのかが分かり難くなっている。
自分にとって都合の良い答えが出てきたなら
それが正しいのだと思いたくなる。
僕だってそうだ…
45㌢水槽でポリプテルスが飼えるという情報があって
45㌢水槽しか置けない状況ならば… 信じたくもなる。
けれどもちょいと待って欲しい。
確かに60㌢水槽で… 45㌢水槽で… 飼えるというのは事実だ。
でも、それはあくまで飼育者側の都合で人間の主観だ。
飼われる側、ポリプテルス側から見たらどうか?
そんな狭い水槽で飼われるのはどうだろう?
オレは嫌だね、そんなのはまっぴらごめんだ。
もっと自由に!生物として当たり前に生きたい!!
…と、生物を擬人化した考え方は危険なので少し科学的に考えてみよう。
狭い水槽での飼育はいろんな弊害が出るように思う。
魚だってストレスを感じるそうだ。
狭さそのもの、窮屈感から来るストレスや、運動不足による肥満。
ストレスから内臓機能が低下するかもしれない。
それらによる成長阻害… 
少ない水量なので硝酸が溜まり過ぎて水質も悪化しやすいだろう。
駄目な理由なんて探せばいくらでも出てくる。
一時的には飼えても(病気の治療での隔離など…)
長期的な目で見れば小さな水槽で飼育はどうしても無理があるのだ。
と、僕は判断する。
迷ったのなら心の中で問えばいい。
自分は何のために飼育するのか… と。

  大きい水槽だからといって
あまり飼育匹数を増やすのもどうかと…
 



水槽の大きさに悩んだのなら次は水槽の素材選びだ。
材質はガラスとアクリルが一般的。
ガラスは重く割れ易いが傷がつきにくい。
アクリルは軽く割れ難いが傷がつきやすい。
この辺は自分の好みで選べばいいと思う。
120×45×45のサイズまでの水槽はガラス水槽が多く
それ以上のサイズだとアクリル水槽が多い。
なんならFRPという選択肢も。

   
2000×900×500のアクリル水槽
アクリルは軽いと言っても2㍍水槽にもなるとそれなりに重い!
設置を手伝ってもらえる人手を集めるだけでも結構大変なのだ

(僕は知合いがほとんどいないからショップの人に手伝ってもらいました サンクスです 


水槽に傷がつくと鑑賞がとてもし辛くなるし
高い水槽ならちょっとした傷がついただけでも精神的にくるものがある。
しかも一度傷がつくと傷を直すのはほぼ不可能に近いのだが…
…水槽に傷がつき難くなるちょいとした裏技がある。

それは…
水槽の内側にだな…??
アクリルシートを貼り付けるのだ。
これなら傷がつくのはアクリルシートだけなので水槽本体は無事と言うわけだ。
これは傷がつきやすいアクリル水槽にはもってこいの方法だよ。
問題なのは水槽の大きさに合わせてアクリルシートを切るのが面倒なことと
張るときに気泡が入り易いのでイライラします。
(水張ってからやればいいだけなんですけどね)
あまりにも正確に切りすぎると、いざシートを剥がす!って時に
剥がすための隙間がなくて剥がすのが難しくなることかな… 

それと見た目にカッコいい縁無し水槽。
よく水草水槽に使われるインテリア性あふれる水槽なんだけど
ポリプテルスが暴れて水面が波打ったときに縁(返し?)がついてない為に
水がこぼれてしまうので縁無し水槽は使わないほうがいい。
あれは水草やるときに使うことをおすすめしたい。。
どうしてもインテリア性を重視したいなら
曲面ガラス水槽を使うのはどうでしょう?。
アレなら上のほうには縁がついているので水のこぼれを防いでくれるハズ。