鼻管について


ポリプテルスには鼻があるッ!!…はず。
『鼻管』と呼ばれる顔にいかにも『鼻』ですよといった感じで
細く短い管がついている。
この『鼻管』は匂いを感じる『鼻』なのだろうか?
そもそもポリプテルスに匂いを感じとることの出来る『鼻』はあるのだろうか?

一般的な魚にも鼻はあるんだけどね。
それじゃあ、その鼻とやらはどこにあるのだろうか?
人間には顔に鼻があるのだが、もちろん魚の鼻も顔にある。
魚や人間だけではなく、脊椎動物の鼻は顔にある。
魚の左右の目の前方に辺りをよく見てみると小さな穴が開いているのだが
どうやらこの穴が魚の鼻… 鼻孔らしい。
鼻孔には入水孔の前鼻孔と、出水孔である後鼻孔が2つずつあり
全部で四つの鼻孔を持っている。
前鼻孔と後鼻孔の間にはU字形をしたトンネル構造になって繋がっている。

遊泳時や呼吸の際に、鼻孔を通過する水の匂いを
トンネルの内部にある嗅覚器によって認識するらしい。
一般的な魚の鼻は人間のように喉には続いていない。
ちなみに魚の嗅覚は犬の3倍くらいあるらしい… ホントですか?

と、言うことでポリプテルスにもたぶん鼻はある… と思う。
…うん、多分。
あのにょろんとした鼻管は多分… 鼻。
…ですよね??

…ごめんなさい。
いろいろ調べたけどよく分かりませんでした。
いや、ポリプテルスの顔をよく見てみるとさ?
小さな穴がいっぱい開いてるんだもん、どれが鼻孔なのかわかんないよ!
(小さな穴は多分、何かの感覚器と思われ…)
『鼻管』が『鼻』ってことで
見た目にも分かりやすくていいでしょ。
でも何故に鼻が管状なのかは不明…

   
ポリプテルスの鼻管
これがあるお陰でまぬけっ面に見えるのは自分だけ??
この鼻管、稀に何処かにぶつけて消失したり
治ってもラッパ状に再生したりして
案外、綺麗に保つのは難しかったりする
ラッパ状の鼻管
さらにまぬけっ面になった気がする…



ちなみに…
ポリプテルスとはぜんぜん関係ないと思うが
肺魚の鼻孔は口に通じている。
現在の陸生脊椎動物は鼻の穴が顔の外側から喉に通じている。
進化の過程で上陸するようになったときに
魚は前鼻孔と後鼻孔がU字形で繋がっていたものが
肺呼吸がスムーズに出来るよう喉へとつながるようになったと言われている。
このため、鼻孔が口に通じている肺魚は
陸生脊椎動物の直接の祖先ではないにしろかなり近い進化をしたと考えられている…
ポリプテルスもそうだったら面白いのだが…
ちなみにポリプテルスの場合、空気呼吸は口ではなく頭の上、エラ蓋の上の部分というか
そこから空気を吸い込んでいます。


 
ハイギョのネオケラトドゥス
ハイギョは陸生脊椎動物に近いらしい
こいつの鼻孔も喉の通じている?


鼻管が本当に匂いを感じることの出来る鼻孔なのかはどうかは分からなかったけど
とりあえず一般的な魚には鼻があり匂いを感じることが出来る。
『匂い』が感じられるのなら『味』はどうだろうか?
『匂い』も『味』も同じ水の中だ。
その違いを分けて感じているのだろうか?
ポリプテルスは夜行性が強いが、水の中と言うのは視界が悪い。
夜ともなればほとんど光が入らず視力に頼るのは難しいだろう。
加えてポリプテルスの目は小さく、少ない光量を最大に利用できるようには思えない。
と言うことは暗闇の世界で匂いという情報は重要になってくる。
おそらく匂いは食物だけでなく敵からも発せられているハズだ。
捕食者と食物の匂いを嗅ぎ分けられることが必要になり
当然、捕食者と食物はいつも近くにあるとは限らない為に
なるべく遠くの微量な匂いを感じられるようになっているはずで
故に魚は鼻が良いのだろうと思う。

食物の匂いを感じ、運よく食物を見つけたら
次に食物が食べられるものかどうか実際に触れてみる必要が出てくる。
魚にも味覚を感じる感覚細胞があり口の中や唇、顔の周りに感覚細胞がある。
ポリプテルスが餌は咥えるんだけどすぐにぺッ!と吐き出すのは
匂いは美味しそうだけど食べてみたら不味かった…から。
咥えたんなら食えよ!!
そんなイラッ!とした経験がある人も少なくない… と思う。
魚にも舌はあるけど人のように味覚を感じる器官としては発達しておらず
主に食物を奥に押しやったり獲物を捕らえて逃がさないようにするために使われる。

   
アロワナの舌の骨
舌にも歯?が生えており味覚を感じる器官というより
獲物を捕らえて離さないように出来ている… と思われる
アロワナのヒゲも味覚器官?
それとも水面の獲物の動きを察知する振動センサー?
 



つまり匂いとは遠距離からの情報であり
味とは実際に触れる近距離からの情報ということになる。
匂いも味も同じ水の中とはいえ別々に分けて感じているというわけです。
実際、匂いを感じる感覚器があり味覚を感じる感覚器がそれぞれあり
脳にも匂いと味、別々に対応する中枢があるそうな。

ちなみに… 味覚器官は体表やヒゲといった部分にもある。
当然、魚種によってその箇所は違うが…
コイ、ドジョウ、ナマズのヒゲも味覚器官であり
ヒゲが味覚を感じるのならもしかしてポリプテルスの鼻管もそうなのではないか…?
と、考えたのだがそもそもヒゲのような味覚器官としては短すぎる気がするし
食べているところを観察しても鼻管で食物を調べているようには見えなかった。
せいぜい、唇で食物を調べているように見えただけ。
(つまり口の周りの小さな穴は感覚器で、頭や口先で触れて識別してる?)
鼻管は味覚器官だったッ!!なら凄い発見だと思ったけど
世の中、そんなに甘くはなかった…

人は味覚器官だけでなく
心で世の辛酸を味わうことが出来るのだった。