背鰭について

ポリプテルスの特徴の一つですねぇ。
一般的な魚の場合、たいていは背鰭は一つ。
多くても二つか、3つ。
でもポリプテルスに場合は… たくさん!!
そう、背鰭が沢山ある!!
ポリプテルスの種類によって違うのだけど
少ない種類で5、多い種類では18もある。
背鰭は一つ一つが独立して離れていて
一つ一つ離れている形状の背鰭を『小離鰭』と言うらしい。
なるほど、『小さく』(ポリプテルスの背鰭は一つ一つが小さい)
『離れ』ている『背鰭』と書いて『小離鰭』と読む… そのまんなやな。
だがナイスで実にわかり易い呼び名だ。

あと、どうしてこんなに沢山の鰭が必要だったのかは知らない。
(調べたんだけど、よく分かりませんでした)



画像はポリプテルス・エンドリケリー
背鰭の数は種類によって違う
ついでにその形も種類によって微妙に違ったりする



そして、この小離鰭。
これだけ多い背鰭の見た目も他に類を見ないけど
実はその背鰭一つ一つが一般的な魚の背鰭と作りが違ってたりする。
一般的な魚の背鰭をよく見てみよう。
一般的な魚の背鰭は細い骨がいくつもある。
この骨を鰭条と呼ぶのだそうだ。
その鰭条には棘(きょくと読む)または棘条という硬骨性の骨と
そして軟条という軟骨性の骨があり
これらの骨と、そしてその隙間が鰭膜でつながって背鰭が構成されている。
ところがポリプテルスの場合、各鰭ごとに一本の太い棘があり
この棘から数本の軟条が枝状に横に伸びていている。
各鰭条の隙間は鰭膜によってつながっていて
最後の軟条と背面の間隔は何故か広い。
また最後尾の背鰭の軟条および鰭膜はそのまま尾鰭につながっている。



ポリプテルス・ラプラディの背鰭
背鰭一つ一つが独立し、一本の太い棘から軟条が横に伸びる



     
一般的なお魚さん
背鰭の作りがポリプテルスと違うのが分かるだろうか?



ポリプテルスはこの特徴的な背鰭の数によって
その種をある程度、同定できるようなっているが…
最後の背鰭は尾鰭とつながっている為に背鰭の数を数え間違いやすいので注意が必要。
硬い棘があるところまでが背鰭なので
背鰭数えてみたけど、どこまでが背鰭なのかわかり難いな…
と思ったら背鰭と尾鰭がつながっている部分を触って確認してみると分かり易いかも?
ただし… この背鰭の棘は大変に硬い。そして鋭い。
触ってる途中でポリプテルスが急に暴れだしたときなどに
触っていた指、手がスッパリ切られてしまうかもしれないので下手に触らない方がいいです?
僕自身はそれで切れたことはないんだけど…
刺さったことはあるッ!!そして大変に痛い!!
だが、安心してほしい。
その後、腫れたり痺れたりとかはなかったのでポリプテルスの背鰭には毒はない。
もしも切れたり刺さったりしても痛いだけだから… 
ポリプテルスを網で捕まえようとした際に網をスッパリ切られたことはある。
他にもビニール袋でポリプテルスを傷付けずに捕まえようとした時には
折角捕まえたのにビニール袋をいつの間にか切られてしまい逃げられて苦労が水の泡になったことも…
そんな感じなので柔い人間の皮膚なんぞは一撃のもとに切られてしまうのではなかろうか??
…触って確認してみろと書いたり、触らないほうがいいと書いたりと
どっちなんだよ!!ってところだが…
そこは、まぁアレです。自己責任ってことでどーかヨロシク。


  

   
ポリプテルス・モケレムベンベ
このコは背鰭が6枚
ポリプテルス・ビキール
このコは背鰭が16枚
   
   
 ポリプテルス・ラプラディ(コリバ)  ポリプテルス・セネガルス
背鰭と尾鰭は繋がっていて
何処までが背鰭かわかり難いので数えるときは気をつけよう

この小離鰭と呼ばれる背鰭。
他にもマグロの仲間など、他にも持っている魚種はいる。
小離鰭の役割として、魚が前進するときに魚体の周りに発生する水の乱れを抑える効果があるという…
ただし、これはマグロの仲間などの小離鰭の場合であって
ポリプテルスの小離鰭に水の乱れを抑える効果があるのかは分からない。
マグロの仲間の場合、常時早く泳ぐことを目的として
魚体の周りに発生する水の乱れを極力押さえ込ものとして小離鰭が必要だったと思うわけで…
常時早く泳ぐことの出来ないポリプテルスにとって
水の乱れを抑えながら泳ぐ必要があるのかな?と疑問に思うわけである。
そもそもがポリプテルスの小離鰭とマグロの仲間などの小離鰭では
名前が同じだけで鰭の作りそのものは違う… と思うんだよねぇ?
とは言え、この背鰭の特殊な形状は何かしらの意味があると思うんだよ。
どうしてこれほど沢山の鰭が必要だったのか?
最初に書いたけど調べても本当に分からなかった…
例えば… 例えばだよ?
例えば水底でじっと動かないでいるときに
泳ぐために体の回りの水の乱れを抑えるのではなく
水流に流されないように…
水底にじっと止まっていられるように… 体の周りの水の乱れを抑えやすくするためとか…
この考えだとポリプテルスと同じ水底にすむような幾つかの魚種ならば
ポリプテルスと同じ小離鰭をもってもおかしくないが
ポリプテルスと同じ小離鰭を持った魚種が見当たらないのであくまで例え話だ。
やはりここは素直に泳ぐときの発生する体の周りの水の乱れを抑える効果…
と考えておいたほうがいいかな?
ポリプテルスは泳ぐときに体全体をくねらせる必要があるので
余計に体の周りの水は乱れるだろう。
泳ぎが苦手であったとしても、その乱れはちょっとでも抑えたいと…
その為の形であり、その為の小離鰭なのである、と。
これもまた例え話なので
結局のところ、小離鰭であることに何の意味があるのか…