イニシアティブゲームとは
 イニシアティブゲームは、野外や自然あるいは人工の障害物を利用してつくられたいくつかの課題を参加者がグループ内で協力し、課題をクリアしていきます。このゲームを通して協力するということ、また責任、友情、正義、奉仕といったものを自然に学んでいきます。このイニシアティブゲームは、課題をクリアしていくのに正解や間違いがあるわけではなく、その過程において、グループの中でのコミュニケーションを活発にし、信頼感が生まれてくるので、全員で一つのことに取り組むことが重要なのです。たとえ失敗しても最後までやり遂げるよう勧め、参加者のレベルに合せたゲームを選ぶことも大切です。
プログラム  
@ゲームとグループ分け
 各グループの人数は、6人〜12人に設定します。ゲーム(課題)はグループの数だけ用意します。それぞれのゲームには係を配置し、課題を説明し、安全確保をしてもらいます。またそれぞれのゲームは他のゲームから見えないところで行ってください。
Aゲームの説明
 各グループは、決められた時間内にゲームをクリアします。それぞれの係は、参加者が来たらゲームの内容、ルールを説明します。基本的に説明は一度きりにして、その後の参加者からの質問には答えないようにします。もし参加者がルールに反しても係は黙って見ます。ただし危険な場合は注意してください。そして後からどうしてルールに違反したか問いかけます。
Bディスカッション
 係がゲームの説明を終えた後、グループ内で必ずディスカッションを行います。少なくとも1分は行ってもらいます。
はじめる前に
 1、グループの年齢と体力、能力にあわせてゲームを選びます。
 2、ゲームの安全性を点検します(一度係で行ってみる)。
 3、ルールは簡単にし、しっかりと参加者に伝えます。
 4、基本的なルールは最後まで支持。ただの遊びにならないよう、またゲームを苦痛に感じさせることのないよう、楽しんで行ってもらいます。
 5、グループのメンバー同士で考えさせます(助言などはしない)。
 6、もしゲームに競争性を持たせるならば、グループ自身のベストタイムやグループの限界に挑戦させるようにします。「勝ち負け」を他のグループと意識させるようなことはさけてください。
 7、各グループは6人〜12人で行動するようにします。あまり大人数になると個人の尊重がおろそかになります。
振り返り
 それぞれのゲームにかける時間は15分ぐらいです。係は、参加者がゲームの課題を解決できなくても、最後に問いかけという方法で振り返りさせます。グループが課題を解決する過程で考慮したこと、例えば体が大きい小さいなど、全員が積極的にまた主体的に参加していたかどうか特に重要視します。また、すべてのグループがゲームを終了した後、実社会において問題の解決には、様々な個性が力をあわせることが大切なこと、協力するということはお互いの個性を認め合い、手を取り合って解決に立ち向かうことであることを、このゲームの課題を解決していく過程を例に挙げながら話すと良いと思われます。(アンケートを取っても良い)
プログラムの流れ
 アイスブレーク
 初めて出会った者同士、お互いを知り合い、グループの雰囲気を和らげます
 ゲーム ・日本列島 ・人間知恵の輪 ・エレクトリックフェンス など
 コミュニケーション
 与えられた課題に対し、自分の意思をメンバーに伝えたり、伝えられたり、体を使って表現したりします
 ゲーム ・リバース ・ブラインドスクウェア など
 信頼
 高度なゲームになると肉体的にも精神的にも恐怖感が出てきて危険度も増します。他人に身を任せることにより信頼感が生まれます。
 ゲーム  ・決死のダイビング ・バックジャンプ ほか
 問題解決
 複雑で難度の高い課題に対して、試行錯誤を繰り返しながら、コミュニケーションを深めます。自分の意思を主張し相手の意見をよく聞き、異なった意見をまとめる事の難しさと大切さに気づかせます。
 ゲーム ・ビーム ・ウオール ・アマゾン  ほか
ゲーム
アイスブレーク
初めて会う人同士、ゲームを通してお互いを知り、グループの協調性を養います。
日本列島
 (課題) 手ごろなサイズの大きな石を4つ用意し、日本列島とみたてて、その上に全員乗ってもらいます。人数にあわせ、石の数を変えてもいいですが、なるべくチョット無理じゃないのと思えるような石の大きさ、数にしたほうがいいでしょう。
 (ルール) すべてのメンバーが10秒間石の上に乗らなければならない。
 (ポイント)
  @メンバーの体の大きさの違いを課題解決に当たってどのように考慮したか。
  A体が接触するのを嫌がるものはいなかったか。
 (応用)一度できたら、石の数を減らしてみるのも良い
     新聞紙でやっても良い
 (準備)手ごろな石を見つける ブロックやレンガでも良い
人間知恵の輪
 (課題) 絡み合いながらつないだ手を離さずに、一つの円にしていきます。
 (ルール) まず右手を誰かとつなぎます。
        次に左手は、隣以外の人とあるいは、右手をつないでいる以外の人とつなぐ。
        みんなで相談して、手をつないだまま一つの円にもどしていきます。
        工夫したことや難しかったことを振り返ります。
 (ポイント) どうしても難しいときは、手を1回組みなおすなど条件を出しても良いです。
エレクトリックフェンス
 (課題) 2本の木の間にロープを張り、全員手をつないで輪になったまま向こう側に渡っていきます。その際、このロープには電流が流れていると想定し、ロープに触れたり、下をくぐると感電するので触れないよう忠告しておきます。
 (ルール) ロープに触れない。手を離さない。
 (ポイント)ロープは最初膝の高さで。簡単にできたら腰の高さにと少しずつあげていく
 (準備物)ロープ
リバース
 (課題) 丸太の上で並び、丸太から落ちないように右と左が入れ替わります。例えば右から1,2,3・・・・と番号を決め、左から1,2,3.・・・となるよう並び替わるよう指示します。
 (ルール)誰か一人でも体が地面にふれたら、最初からやり直し。
 (ポイント) 丸太は転がらないように固定しておきます。
        丸太の太さによって難易度が違います。
        落ちてしまっても決して非難しないよう、声掛け合ってクリアしていく
 (応用編) 誕生日の若い順に並び変わる、1月生まれから順に並び替わるなど色々考えるとおもしろい
 (準備物) 丸太、倒木、角材、平均台など
モンスター
 (課題) スタート地点から全員でゴールまで進む。ただしリーダーの言った数の手と足しか地面につくことができません。
 (ルール) リーダーが言った数以上の手や足を地面につけてはいけません
        グループ人数-2ぐらいの数がちょうどいいです
 (準備) スタート、ゴールの目印
ノッポさん
 (課題) 全員が協力して木の一番高いところにロープを結びます
 (ルール) 全員がノッポさんになります
        従ってみなそれぞれ誰かの体に触れていなくてはなりません
        木にはつかまらず、とにかく高いところにロープをくくれるように相談します
 (ポイント) 一人だけが木に登ってロープを結ばないように       
        バランスを崩すと危険なので、一人サポート役をつくります
 (準備) ロープ
毒蜘蛛の巣
 (課題) 2本の木の間に、蜘蛛の巣状に張ったロープの間を、ロープに触れないように全員で協力してくぐりぬけていきます。
 (ルール) 一度通ったところは、通れません。
        ロープに触れたら、最初からやり直しです。
 (ポイント) これは毒蜘蛛の巣であるので触れてはいけないと注意します。
        始める前にどうやって通るか作戦を立てさせる必要があります。
 (準備) ロープ
コミュニケーション
課題に対して、自分の意思を伝えたり、人の意見に耳を傾けたり、体を使って表現します。個人のリーダシップも発揮されます。
ブラインド・スクエアー
 (課題) 全員が目隠しをして、輪になったロープで正方形をつくります。
 (ルール) 全員で小さな円をつくり、目隠しをしてからゲームの説明に入る
        円の中心にロープを置く
        完成した時、全員がロープにふれていなければならない
        完成したと思ったら、リーダーに申し出て、そのまま目隠しをはずさせ、どんな形 
        になったかを確認させる
 (ポイント) 誰の作戦で、また誰の作戦に耳を傾けたか
 (応用編) 正方形ができたら、正6角形にしてみる
        誰か一人目隠しをせずに声のみ支持を送れるようにしてみる
 (準備) 目隠し用タオルまたはバンダナ、輪になったロープ(8〜10メートル)
ブラインドラインアップ
 (課題) 全員が目隠しをして、横一列に並びます。そしてリーダーの指示で並び替わります。
 (ルール) 全員目隠しをします。
        グループの中からリーダーを決め、並び順を支持します。
          (生年月日順、身長順、誕生月順、誕生日順、年齢順など)
        メンバーは目隠しをしたままで入れ替わります。
        最後は目隠しをとって確認します。
 (ポイント) 無言で行うなど課題を追加してもおもしろいです。
 (準備) 目隠し用タオルまたはバンダナ
着地成功
 (課題) 全員目隠しで、輪になってフラフープを持ち、別の地点(三角コーン)へおさめます。リーダーは輪の外で目隠しせずに指示を送ります。
 (ルール) 全員目隠しです。(ただしリーダーはせずに外から指示)
       全員輪になり、フラフープを両手で持ってスタートします。
       ゴール地点の三角コーンに見事入れることができればOKです。
 (ポイント) リーダーの指図のもと全員が息をあわせるのがポイント。
 (準備) フラフープ、三角コーン、目隠し用タオルまたはバンダナ
信頼
課題が高度になってくると、よりグループ内の信頼感をアップさせないとクリアできなくなってきます。危険度、恐怖感をメンバーが一致団結してぬぐいさりましょう。
決死のダイビング 
 (課題) 目隠しをして台の上から飛び降ります。他のメンバーは、バランスを崩したり、倒れたりしないように補助します。
 (ルール) 目隠しをした人が台から飛び降ります。
        他の人は、台に向かって2列に並び、飛び降りた人が危なくないように
        手を延ばして補助します。
 (ポイント) 無理にさせないでできるようになるまで待ちます。
 (準備) 目隠し用タオルまたはバンダナ、台
バックジャンプ
 (課題) 目隠しをした人が台にのぼり、後ろ向きに倒れます。他の人は、その人が倒れる方に向かい、2列に並んで手を交互に出し、倒れてきた人が落ちないように支えます。
 (ルール) 目隠しをした人が後ろ向きに台の上から倒れます。
        残りの人は倒れる人に向かって2列に並んで向かい合い手を交互に
        手のひらを上向きにならべ手のベッドをつくります。
        上から倒れてきたときしっかり支えてあげます。
 (ポイント) 目隠しをした人は、必ず手を前で組んでどんなことがあっても離さない
            (腕を伸ばすと下の人に腕やひじが当たって危険です)
         無理にさせないでできるまで待ちます。
         倒れる時は「いきます」と言い、残りの人がOKと言ったら倒れます。
         体が曲がると体重が一点にかかるので棒のようにまっすぐ倒れます。
 (準備) 目隠しタオルまたはバンダナ、台
問題解決
難しい課題を前にして、自分の意見を述べたり、人の意見を聞いたりしながら、異なった意見をまとめていかないとクリアしていけない課題もあります。そうして相互のコミュニケーションを深め、問題解決に至ります。
ビーム
 (課題) 2本の木に横にくくりつけられた丸太をみんなで協力して乗り越えます。ただし地面には横にくくりつけられた丸太と平行に2本のラインがあるのでそれより内側には入らなようにします。
 (ルール) スタートは線の外側から始め、丸太に乗り、更に向こう側の線の向こう
        側に降ります。つまり線の内側に足をつけてはいけません。
        全員向こう側に降りて終了です。
 (ポイント) 丸太までに幅があるので、どう登るか相談がカギ。
         バランスをくずさないようにサポートを一人つけても良い。
 (準備) 丸太は木に頑丈に縛り付ける(高さは2メートルぐらい※年齢にあわせる)        
       雨が降った後などはすべるので注意する。
       危険な状態になったときは、もう一度相談してもらう
       ひも2本、丸太、ロープ、(ヘルメット)など
ウオール
 (課題) みんなで協力して高い壁を乗り越えます。
 (ルール) 全員残らず壁を登ります。
 (ポイント) 壁の前でまず全員で登り方の相談をします。
        全員で協力し、壁を乗り越えます。
 (準備) 板で作った高い(2メートル※年齢による以上)壁
       壁の向こう側には足場を作っておきます。
       安全のためサポートを一人つけても良いでしょう。
       ヘルメットも時には必要です。
アマゾン
 (課題) 池あるいはプールの中に浮かんでいるバケツをロープや足場板、棒を使ってみんなで相談して協力して取ります。
 (ルール) とにかく協力してバケツを取ってください。
 (ポイント) メンバーが相談すること。取り終わったら振り返りをします。
 (準備) バケツ、棒、足場板、ロープ
お願いとお断り
このサイトでは、あくまでも参考にゲームを紹介しております。くれぐれも安全面には十分注意して行ってください。このゲームを参考にしてゲームを行い怪我、事故等おこりましても、責任は一切取りません。あくまでも自己責任で行ってください。お願い申し上げます。
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