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糖質 (炭水化物) |
1.糖質(炭水化物)の分解 |
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口腔 |
<唾液・唾液アミラーゼ(プチアリン)> → デキストリン・マルトース (麦芽糖) |
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小腸 |
<膵液・膵液アミラーゼ> → マルトース (ニ糖類) |
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<腸液・ニ糖類消化酵素(マルターゼ・ラクターゼ・スクラーゼ・オリゴ-1・6-グリコシターゼ)>→ グルコース(ブドウ糖)・フルクトース(果糖) |
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小腸より吸収 |
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2.グルコース(ブドウ糖)などの吸収 |
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グルコースなどは、小腸から吸収され、門脈を経て肝臓に入ります。尚、グルコースの小腸からの吸収は、Na+-ブドウ糖共輸送体(SGLT)により、Na+の吸収と共役して行われるので、Na+はグルコースの小腸からの吸収に必要です。(食塩はグルコースの吸収を良くします。)
しかし、フルクトース(果糖)の吸収には、Na+は必要なく、肝臓でグルコースの代謝に組み込まれ、速やかにインスリン非依存性に代謝されます。フルクトースが直接筋肉で解糖に組み込まれるのは稀で、主に肝臓で代謝されます。このため、フルクトースの取り過ぎは肝臓への負担を強いるとともに、エネルギー過剰時には肝臓で中性脂肪に返還されるので、注意が必要です。。
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両者を比較して |
吸 収 |
代 謝 |
グルコース |
早い |
遅い |
フルクトース(果糖) |
遅い |
早い |
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3.グルコース(ブドウ糖)などの代謝(解糖) |
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グルコースは、肝臓ではグルコキナーゼにより、筋肉ではヘキソキナーゼにより、リン酸化されて、グルコース
6-リン酸に変換され、解糖を受けて、ホスホフルクトキナーゼ、ピルビン酸キナーゼにより、ピルビン酸にまで分解します。ホスホフルクトキナーゼ(PFK)は、解糖の律速段階である、フルクトース6-リン酸を、不可逆的に、フルクトース
1,6-ビスリン酸(フルクトース1,6-ニリン酸)に変える酵素です。このホスホフルクトキナーゼ(PFK)は、クエン酸、ATP、H+、長鎖脂肪酸により活性を抑制され、AMP、ADPにより活性化されます。金属酵素であるホスホフルクトキナーゼ(PFK)は、Mg2+がないと作用しません。ピルビン酸キナーゼは、アドレナリンにより、不活化されてしまいます。
ピルビン酸は、嫌気時は乳酸とエタノールに分解され、好気時はピルビン酸デヒドロキナーゼ複合体(ピルビン酸脱水素酵素複合体)により、アセチル-CoAに変換されます。ビタミンB1(チアミン)は、ピルビン酸デヒドロキナーゼ複合体の補酵素として必要です。ビタミンB1が欠乏すると、脚気になります。ピルビン酸はさらに、ミトコンドリア内で、ATP・ビオチン(ビタミンH)・CO2の存在下に、ピルビン酸カルボキシラーゼにより、TCA回路に必要なオキサロ酢酸に変換されます。ビオチンは、水溶性ビタミンで、ピルビン酸カルボキシラーゼの補酵素として必要です。ピルビン酸カルボキシラーゼの活性は、アセチル-CoAにより促進されます。
アセチル-CoAとオキサロ酢酸は、TCA回路で、クエン酸シンターゼにより、クエン酸を合成します。クエン酸は、TCA回路で分解を受け、NADH2+が生成されます。TCA回路では、エネルギー(ATP)の生成はされません。NADH2+は、ミトコンドリア内の呼吸鎖で酸化され、プロトン(H+)濃度勾配が形成され、エネルギー(ATP)が産生されます(肝臓、腎臓、心臓-38ATP・その他-36ATPを生成)。クエン酸シンターゼの活性は、ATPで抑制されます。
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