CoQ10


Co+Q+10で構成された略語です。
Co: Coenzymeの略で補酵素をさします。
CoQ: ユビキノンを成分とした補酵素で、ミトコンドリアの電子伝達系で、電子伝達体として用いられ、2Hの転移反応に関与します。
10: 哺乳動物のユビキノンにおける、イソプレン単位(図のR)の数の10をさします。

コエンザイムQ10、コエンザイム・キュー・テン、コ・キュー・テンとも呼ばれます。

1.ユビキノン(CoQ:コエンザイムQ)
ユビキノンは、補酵素Q(CoQ:コエンザイムQ)とも呼ばれます。
ユビキノン(ubiquinone)は、電子の受容体として、ミトコンドリアの電子伝達系の必須因子として重要な物質で、電子伝達に関与した重要な働きをしています。
ユビキノンは、水素原子の電子を受容し、還元型のユビキノールになります。
ユビキノールは、血液中で抗酸化物質として作用します。その作用は、ビタミンCやビタミンEよりも、長いとされています。
ユビキノン(CoQ)は、ユビキノン(酸化型:CoQ)、ユビセミキノン(ラジカル型:CoQH)、ユビキノール(還元型:CoQH2)の、三つの酸化状態を取ることができます。
ラジカル型(セミキノン型)は、不対電子をもつフリーラジカル。還元型(ヒドロキノン型)は、安定で、電子の受容体にも、供与体にもなれます。
2.CoQ10(コエンザイム・キュー・テン)
CoQ10は、肝臓で、メバロン酸から生合成されます。
CoQ10の体内での合成には、チロシン(tyrosine)からキノン核(quinone nucleus)を生成する為に、ビタミンB6を必要とします
CoQ10の生合成の経路は、コレステロールと途中まで同じ経路なので、コレステロールの合成を阻害します。また、CoQ10は、血液中を、LDL(低比重リポ蛋白)に含まれて運搬されます。
CoQ10は、心筋細胞のATP産生の増加を期待して、従来から心不全の治療に用いられており、虚血性心疾患、高血圧症やリウマチ性心疾患等に基づく、うっ血性心不全の自他覚症状(浮腫、肺うっ血、肝腫脹や狭心症状等)に対して、有用性が認められています。副作用の報告として、総症例数5,350例中、78例(1.46%)に見られ、消化器:0.1〜5%未満(胃部不快感、食欲減退、吐気、下痢)過敏症:0.1〜5%未満(発疹)と報告されています。
CoQ10は、近年、サプリメントとしても販売されています。:1日60〜100mg、食後に内服。
CoQ10(ユビデカレノン)は、黄色〜だいだい色の結晶性の粉末で、においや味はほとんどなく、脂溶性のため、水には溶けにくいとされています。
CoQ10は、生体内では、心臓、腎臓、肝臓、筋肉など(のミトコンドリア内)に多く含まれています。
血清中のCoQ10(ユビキノン)濃度の正常値は、0.53〜0.83μg/ml(日本人の平均値は、約0.76nmol/mlと言うデータもあります)とされ(内科61巻6号1165頁、1988年)、血清中のCoQ10(ユビキノン)濃度は、肝硬変、心不全、心筋梗塞、脳血管障害発作で低下しますが、年齢による変化は見られません組織の細胞中のCoQ10の量は、加齢と共に低下します。
CoQ10は、野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)、大豆、ピーナッツ、背の青い魚(イワシ、サバなど)、鶏肉、牛豚のレバーなどの食品に含まれます(食品に含まれるCoQ量は、イワシ1匹:約5mg、牛肉100g:約3mg、ブロッコリー100g:約1mg。)。
CoQ10は、脂溶性なので、油で調理した方が、吸収が良くなります。